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January 2007 Archive

Mother 

2000年ヴネティアビエンナーレ建築展出展作品http://www.kojinkaratani.com/criticalspace/old/special/asada/voice0008.html

「胎児にとっての最初の家は母の胎内ではないだろうか?」という仮設のもと
母親と幼児の親密なコミュニケーションを服で表現した作品です。
赤ちゃんを抱えたまま外界からのノイズを遮断する為フード部分がジッパーで開閉可能になっています。内部空間を自立させる為にナイロンのボンディング加工素材を採用しました。表面には蓮の花のプリントを施してあります。生物を外界と接触出来る様になるまで守っているのが繭や卵、種であるこからインスピレーションを受けカプセルの様な造形を取り入れました。

mother2ok.jpgmother1ok.jpg

「アートは生と死を直視する。それは酒のようである。デザイナーはそこから死を周到に抜き取り清涼飲料水を作る」  

「生は死があるからこそ輝く」とよく言われます。確かに優れたアートには美という基準には収まりきらない迫力があります。感動の成分表示には死も10%位含まれていると思います。
デザイナーは快適な日常が永遠に続くかのごとく様々な物を演出します。
ピンセットで魚の小骨を抜くように丁寧に死の匂いを抜き取ります。
ダイヤモンドが硬くて傷付きづらいから永遠のイメージの代表なのだと思います。
逆に言うと死の匂いを加える事で、アーティステイックな商品に見せる事も出来る筈です。
歴史の重みをイメージさせるダメージ加工のデニムが、それを履きこなす人を
ワイルドにセクシーに演出できる良い例だと思います。

ノイズ・プロテクション

巷にはびこるブランド物のコピー商品はいくら規制しても後を絶ちません。あからさまなコピーでなくても「それっぽい」まがい物も沢山あります。それが流行というものです。
「一味違う位が売れるデザインの秘訣だよ!」が業界の合言葉になって何十年経つでしょう。
しかし、その一味にどれ位こだわるかで魅力の賞味期限も変化します。
ギミックを多用したり高価な素材を使ったりするデザイナーは非効率的な表現を好む変り者の様に見えるかもしれません。
しかし、その非効率によるプロテクションは特許より即効性があります。
そしてブランド神話を際立たせるスパイスとして人々の冒険心と購買欲を刺激する有効な装置なのです。

FINAL HOME 2007年 design・indication 

     

普遍性のあるデザインは長く人々に使用されます。
他にはない機能や柄、素材など時間と経費をかけて開発した商品を次の消費を促す為の犠牲にするよりも
未知の人々にとっての新鮮な出会いを演出する事の方が重要ではないかと思います。
現代では情報技術を駆使する事でデザイン資源の有効活用が可能になりました。
それをクリエイトしていく事で「デザインの次のステージ」が見えてくるのではないでしょうか。

津村 耕佑