「もし、災害や戦争、失業などで家をなくしてしまったとき、ファッションデザイナーである私は、どんな服を提案できるか、またその服は平和なときにはどんな姿をしているのか」
こんな自分への問いに対し、形になったのが右上のナイロンコートです。
寒さをしのぐため、ポケットに新聞紙を詰めれば防寒着に、あらかじめ非常食や医療キットを入れて災害時に着れば非難着になるなど個人の用途に適応できる服をコンセプトとし、“FINAL HOME"というネーミングもまた「究極の家」という意味を込めてこのコートのために付けたものです
(写真)。
DNP資料参照
基本カラーの3色は、存在を知らせるための“オレンジ"・森に紛れる“カーキ"・都会に紛れるブラックに設定し、コートを入れる袋にはFINAL HOMEの使用方法を記載しています。
また、このコートは“リサイクル"適応商品です。
ファッションとして楽しまれたあとは洗濯後私たちのショップへお持ちになって下さい。NGOなどの機関を通じて被災者や難民の救済に寄付させて頂きます。詳しくは袋に同封していますメッセージカードをご覧下さい。
この他にもFINAL HOMEではプロジェクトとしてより進化させるため、広くアイデアを受けつけています。
津村 耕佑
FINAL HOMEは、株式会社イッセイ ミヤケよりビジネスをスタートし、(1996年、株式会社エイ・ネットに変更)、サバイバル・プロテクト・ファンクション・リサイクルをコンセプトとしたブランドとして存在する一方で、「モードジャポニズム展('95 PARIS)」「ヴェネティアビエンナーレ展('00)」など世界各地での展覧会への出展、DJ KRUSHなどのアーティストとのプレゼンテーションの開催、難民救済のためのチャリティー行事への参加など、様々な活動を展開しています。
そしてその根本となるFINAL HOMEのモノ作りは、ときに身体を洗うための“アカスリ"やエアコンのフィルターなどの工業資材を使用したり、狩猟用古着やアーミーコートなどをモチーフにするというように非常にプロダクト的で、都市生活における様々なシーンでサバイブすることを想定した素材や機能性が特徴です。またそれと同時にブランドコンセプトに基づき、ダンボール製ソファー&ポケットソファーカバーやチョコレートキャンドルなど洋服にとどまらないライフスタイルアイテムにまでクリエーションの幅を広げています。
FINAL HOMEではこのような様々な実験の成果、そして他業種とのコラボレーションによる商品開発を行っており、それらの商品は2002年4月現在、日本国内の直営ショップ6店舗のほか、ヨーロッパ・アジア各地のセレクトショップで販売されています。